電動化を積極的に進める欧州メーカーたち。EVになると個性がなくなるという話もあるがドイツ御三家のEV車の特徴を捉えると明確な違いが見えてきた!! そんなドイツ御三家のEV車の特徴をわかりやすく解説していこう。
※本稿は2023年7月のものです
文/片岡英明、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年8月10日号
ベンツEVの先進性がハンパない!! わかりにくい電動車の違い……ドイツ御三家の差とは?
■しなやかな走りを見せるベンツBEVセダン&ハッチバック
メルセデスのフラッグシップBEVセダンは極上の乗り心地と先進的インパネ類が魅力
たくさんのバッテリーを敷き詰める必要があるEVは、スペースに余裕のあるSUVのパッケージングが最適だ。が、プラットフォームをうまく設計すればセダンも作れる。
メルセデスベンツはミドルクラスのEQEとプレミアムクラスのEQSで、新しいデザインの領域に踏み込んだ。クーペ的な美しいフォルムに加え、インテリアのディスプレイなどにも新しい潮流を感じさせる。
駆動方式はリア駆動と4WDの4マチック+を揃え、走りは滑るようにしなやかだ。空力性能も優秀で、高速走行での安定感は抜群である。150kWまでの直流急速充電に対応し、短時間で充電が完了するのも魅力だ。
■BMWのBEVセダン&ハッチバックは操る楽しさが格別
超個性的なフロントマスクの高級BEVサルーンのi7は大型ながら運転して楽しい
BMWは4シリーズのグランクーペをベースにi4を開発した。リア駆動とxDriveと呼ぶ4WDがあり、どちらも操る楽しさは格別である。刺激的な加速に加え、高い解析能力を誇る運転支援システムも当然ながら標準装備だ。
強い存在感を放つフロントマスクが印象的なi7は、キャビンが広く快適性、エンターテイメント性とも素晴らしい。ボディサイズを感じさせないダイナミックな走りに加え、100kWhを超える大容量バッテリーだからロングドライブを余裕でこなす。
■スポーティで痛快な走りとデザインで勝負するアウディ
e-tron GT、RS e-tron GTの動力性能はスポーツカーを凌駕するレベル。特に加速が強烈
アウディは、ライバルに対しハッチバック的なスポーツバックをラインナップ。用途と予算に応じて好みのEVを選ぶことができるのが魅力だ。スポーティで痛快な走りのEVが多いのも特徴と言えるだろう。
高性能を世に知らしめたのがe-tronGTクワトロとその高性能バージョンとして登場したRS e-tronGTだ。パワフルなモーターによる鋭い瞬発力を支配する電子制御4WDのエレクトリッククワトロの制御は驚くほど緻密である。後輪駆動のQ4スポーツバックe-tronは素直で、扱いやすい。
BMWのi4はトータル性能が高く、走りの実力も高いなど魅力的だ。が、ベンツEQEの自然体の走りとデザインの新鮮さにも引かれる。
■モーターパワー&バッテリー容量ランキング
●モーターパワーランキング
・1位:AMG EQS……761ps/104.0kgm(レーススタート時)
※通常時は658ps/104.0kgm
・2位:i7……659ps/103.5kgm
・3位:RS e-tron GT……646ps/84.6kgm
●バッテリー容量ランキング
・1位:Q8 55 e-tron……114kWh
・2位:iX xDrive50……111.5kWh
・3位:AMG EQS & EQS……107.8kWh
・4位:i7 M70 & i7……105.7kWh
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